旅行記といえば、沢木耕太郎さんの深夜特急が圧倒的な知名度で、おそらく海外旅行を愛する人、世界一周をする人、またそれを目指す人や憧れている人の多くが一度は目を通したことがある伝説的な旅行記だと思います。
この本を手にしたことがきっかけで海外旅行に旅立ったという人も多いですよね。
この沢木耕太郎さんの深夜特急が最初に発売されたのは1994年。
今は2017年なので、実に23年以上も前の旅の情景がそこには描写されているんですけど、今なお読者を旅の魅力に引き込む魔力を持っています。
まだ読んだことが無いという旅好きさんは、是非読んでみてください。
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫) posted with ヨメレバ 沢木 耕太郎 新潮社 1994-03-30 Amazon 楽天ブックス
おそらくだけど、1994年に世界の国々を一人で巡る旅行記なんてものは他にあまりなかったと思います。
でも2017年の今、TSUTAYAの海外旅行コーナーに立つと、1セクションに収まらず2セクションぐらいの棚の上から下までびっしりと世界旅行の本が並んでいます。
ウユニ塩湖やマチュピチュ、モンサンミッシェルなど、どれも世界の絶景と言われる美しいカラフルな写真がカバーに使われていて、ついつい見とれて手にとってしまいます。
だけど今日はあえてそういった本ではなく、むしろ「旅行本コーナーの中で地味でまったくもって目につかないけれど読むとめちゃめちゃ面白い旅行本」というのをいくつか紹介したいと思います。
その「いくつか」っていうのは全部同じ作者なんだけども。
その作者さんの名前は宮田珠己(みやたたまき)さん。
旅の理不尽 アジア悶絶編
私がはじめて手にとった宮田珠己さんの本は『旅の理不尽 アジア悶絶編』でした。
アジア悶絶編というからには、ほかにもヨーロッパ狡猾編とかアメリカ暴露編とかシリーズなのかと思う人もいるといけないので最初に言っておくと、旅の理不尽はこの1冊だけです。
この本はサラリーマンが有給でアジアを巡る珍道記で、当時イヤイヤ仕事に通って私生活もストレスだらけで毎日泣いて過ごし、心が腐りきっていた私に元気をくれた本です。笑
この本はすっごくゆるいです。
よくある自分探しの旅だとか、ボランティアの話だとか、そういった小難しい類のストーリーは一切なく、清々しいほどに気が緩まるお笑い旅行記って感じ。
電車の中で読んでいるとついついニヤけてしまうのでマスク着用で通勤しながら読んでいたくらい。
旅の理不尽 アジア悶絶編 (ちくま文庫) posted with ヨメレバ 宮田 珠己 筑摩書房 2010-05-10 Amazon 楽天ブックス
「旅の理不尽」で宮田さんにハマってしまった私は、その後も彼の作品を本屋で見つけると必ず買ってしまうようになりました。
ほとんどが小さい文庫本で出版されているから持ち運びやすく、カバンに入れて旅先に連れていくこともありました。
けどやっぱり本はかさばるので、旅先のゲストハウスとかの本棚に寄贈して旅を続け、帰国後にやっぱりまた読みたくなって再度買い直したりもしました。
宮田珠己さん作品のオススメ本
わたしの旅に何をする。 (幻冬舎文庫) posted with ヨメレバ 宮田 珠己 幻冬舎 2007-06 Amazon 楽天ブックス
『わたしの旅に何をする。』 は、一見すると星の王子さまと間違えてしまいそうなカバーも魅力的。
特に死後の葬り方の話は興味深いものがありました。
これはKindle版も出ているので気兼ねなく旅先で読めるのでオススメです。
ときどき意味もなくずんずん歩く (幻冬舎文庫) posted with ヨメレバ 宮田 珠己 幻冬舎 2007-12 Amazon 楽天ブックス
『ときどき意味もなくずんずん歩く』タイトルのままの症状が彼を襲う珍道中。
挿絵が無いのに、その面白い情景が頭に浮かぶから描写力の凄さに惚れてしまいます。
こちらもKindle版あり。
スットコランド日記 (幻冬舎文庫) posted with ヨメレバ 宮田 珠己 幻冬舎 2013-12-05 Amazon 楽天ブックス
パッと見て「スコットランド」と読んでしまいそうだがこれは「スットコランド」であって、しかも全くスコットランドの話じゃないので注意してください。 Kindle版あり。
52%調子のいい旅 posted with ヨメレバ 宮田 珠己 旅行人 2003-06 Amazon 楽天ブックス
海外から国内まで幅広く52%調子のいい旅が満載で面白い。 残念ながKindle版無し。
旅はときどき奇妙な匂いがする: アジア沈殿旅日記 (単行本) posted with ヨメレバ 宮田 珠己 筑摩書房 2014-12-08 Amazon 楽天ブックス
本格的な話は、誰かほかの、もっと立派な人に任せるべきだ。
という彼のモットーを突き進む旅行記。
こちらは残念ながらKindle版無し。
というわけで、特に宮田珠己さん(愛称:タマキング)の親戚でも友人でもないけれど、1ファンとして、旅行好きとしてオススメさせていただきました。
旅のガイド本でもなんでも無いので、旅行先の情報収集をしているというような人のニーズには全くもって応えてくれない旅行本だけど、クスクス笑えることは約束できます。
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